2015年2月9日、埼玉県の平塚製菓が、日本産カカオを使ったチョコレートの製造に成功したことを発表しました。
国産カカオはどこで、どうやって育てられているのでしょう?国産カカオで作ったチョコレートはどんな味?今年のバレンタインデーに間に合うのでしょうか?そして、今回カカオの栽培に成功した平塚製菓はどんな会社? 気になるところを調べてみました。
- 国産カカオができた経緯とは?どこでどのようにして育てられているの?
カカオの栽培は、赤道近辺の「カカオベルト」と呼ばれる地帯でほぼしめられており、日本での栽培は困難と言われてきました。
しかし、埼玉県でチョコレートなどを作っている会社、平塚製菓と地元小笠原諸島の折田農園では、2010年に小笠原諸島の母島で独自にカカオ栽培を開始、
2013年10月に初めてのカカオが収穫されました。
収穫までには、日本の気候での栽培の苦労に加え、小笠原諸島の、離島というロケーションであるがゆえの設備不足の解消など、収穫に至るにまでには多くの困難があったそうです。そんな困難を何度も乗り越え、ついに13年10月に、待望の初カカオが収穫されたというわけです。
カカオ豆は収穫したら終わりではなく、発酵や乾燥といったプロセスを経てチョコレートになるため、加工にも試行錯誤を繰り返しました。
そして15年3月、ついにチョコレートの試作に成功!
今年2016年には、板チョコにして1万5000枚分に相当する0.5トンのカカオ豆の収穫が見込まれています。
- 国産カカオはどうやって育てられているの?
通常、カカオは農薬を使って栽培され、オーガニック認定されているものは希少でとても高価な物が多いのですが、国産カカオはなんと、
無農薬で栽培されているんだそうです。
また、外国から輸入する関係で、その間、かびが発生しないように、防かび剤が使われていますが、国産だとその心配も
無用です。安心安全なチョコレートなんですね。
- 国産カカオを作った、「平塚製菓」とはどんな会社?
明治34年創業、チョコレート、ウェハース、焼き菓子などの製造を、主にOEMで行っている会社です。
HPには「無添加、無農薬、非遺伝子組み換えなど、原材料にもこだわります。」(平塚製菓HP)と書かれていますので、企業文化として、安全で美味しいもの
を届けたいという思いが根付いた会社なのかもしれません。だからこそ、困難なカカオ栽培を成功させる事ができたのでしょう。
- 発売はいつから?今年のバレンタインデーに「東京カカオ」で作ったチョコレートを買うことはできる?
残念ながら今年のバレンタインデーには間に合いません。チョコレートとして商品化されるのは2018年からだそうです。
楽しみで待ちきれないですね!
- 国産カカオのチョコレートはどんな味?
よく、外国産がメインのものを国内で頑張って作っても、到底その水準には及ばなかったりしますよね。
例えばワインなんかがそうかなと思います。国産の生産者も頑張ってつくってはいるものの、なんだか物足りない味がするものが多いです。
この、国産カカオで作ったチョコレートは、フルーティーで美味しいと平塚製菓では言われているそうですので、ぜひ、期待したいですね!
ただ、これだけの手間暇とコストを掛けて栽培されたカカオからつくられているチョコレートとなると、お値段がかなり高そうな気がします・・・。
発売されてすぐには難しいかもしれませんが、いつか気軽に食べられる様な価格の国産チョコレートができればと更に期待してしましますね。
- 他にも国産カカオのチョコレートはあるの?
現在メリーチョコレートカムパニーによる静岡県の南伊豆での栽培、ロイズチョコレートによる石垣島での栽培など、幾つかの研究、栽培が勧められています。あと数年したら、国産カカオのチョコレートはとて身近なものになっているかもしれませんね。
- 終わりに
平塚製菓の企業理念は、
「お菓子をなかだちとした、愛あふれる平和な社会をきずきあげよう」
だとHPに書かれています。
チョコレートは世界中で愛されているお菓子でありながら、その需要の多さが故にかたや栽培国ではカカオ栽培に携わる児童労働などが問題になっています。国産のカカオを作るということは、このような問題の解決の一端を担うことになり、平塚製菓の企業理念にも叶うことでしょう。
まずは2018年の発売を楽しみに、これからますますこの活動が発展するとよいなあと思いました。
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