2016年3月15日、16日の報ステ(報道ステーション)では、イチローさんのインタビューが放送されました!稲葉篤紀さんとの対談でイチローが見せる素顔とは?意外にも饒舌でフレンドリーなイチローさんの様子はファン必見です!
<3月15日放送分>
イチロー選手の意外な美意識
青い芝が綺麗な練習場に現れたイチロー選手に、インタビューに来た稲葉さんが声をかけるところからインタビューは始まりました。
イチロー選手は練習の時はいつも、グレーのズボンを履いているのだそうですが、その日は何故か白いズボンをはいていました。
なぜ今日は白いズボンなのかと尋ねると、
インタビューの日はあいにくの曇り空。だから白。グレーにグレーは良くないでしょ。
ということ。
また、イチローさん、手にはラベルを剥がしたペットボトルにお茶が入ったものを持っていましたが、それについては
「お茶が茶色いのはかっこわるいけど」とコメントされていました!
テレビに自分が映るとき、どのような絵になっているかも考えてインタビューに望んでる姿が超意外でした!
しかもそのポイントがスタイルなどではなく、色彩に関することなので、余計にびっくりしました。
イチローさん、とても美意識が高い方なんですね。
オフの過ごし方、福士選手のマラソンを見て号泣!
イチロー選手は、マラソン選手の福士加代子選手のファンだそうです。
オフの時、神戸のホテルで福士選手が走っているのをみて、号泣してしまったそう。
「人が走っているのを見て、こんなに感動したことはないです。」とイチローさん。
そして、福士選手がアディダスを履いているのをみて、
「アディダスの子に電話したんですよ、同じのある?って。そしたら、ありますまります!って言って、
すぐ持ってきてくれたんです。」
ところが・・・
「福士選手に、間接的におめでとうを伝えたら、僕の練習を見に来たいといってくれて。そしてお会いした時に」
「アディダスの靴を見せたら、福士選手が、(私が履いているのとは)違います!っていうんですよ・・・笑!」
イチローさん、話にちゃんとオチも用意する方だったんですね・・・意外とお話上手でびっくりしました!
僕は同じことをずっと出来る
イチローさん、古舘さんがやっている報道ステーション3000回になったことを、
「3000回とかエグいっすね!」
「ほんとうにすごい!」と何度も言っていました。
「古舘さんやめたらどうなるの?わさびの無い鮨みたいになるんじゃない?」とも。
稲葉さんが「メジャーリーグ15年で、通算3000本安打もすごい。」というと、
「僕のことはいいです、報ステすごい!」としきりに言っていました。
そしてそのことに絡めて、
「自分は一つのことをずっと出来るんですよ。この前四ヶ月間日本にオフで帰ってたんですが、音楽を聞くとき、部屋の中、車の野中、全部一曲で行けた!あほでしょ!」
と楽しそうに言っていました。
「同じ曲をずっと聞いてると、歌い手と歌詞がマッチしてないなとかわかってくるんです。それは、ずっと聞いていないとわからないことだと思います。」
「同じことをずっとすると見えてくるものがある。合理的な人は、そのあたりをすっとばしていっちゃうから、見えていないかもしれない。狭い世界でも見続けていれば人が見えないモノが見える、それは間違いなく言えます。」
同じことをやり続ける、それは本当にすごいことですよね。誰にでも出来ることではありません。
会社や社会では合理的なことが良しとされる風潮が強いですが、イチローさんのように同じことをずっと、コツコツと努力し続ける事は何物にも代えがたい力です。
イチローさんがそれを語ると、有無を言わせぬ説得力がありますね!
野球人生最大のスランプ
努力の人とは言え、これまで順風満帆に野球選手としてのキャリアを積んできたイチロー選手。
しかし、これまで人に言わなかった苦しみが、彼の中でもあったようです。
「高2の時イップスになったんです。」
(イップスとは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のこと)
と衝撃の告白。
「僕らの時は、上下関係が厳しくて、1年はゴミ、2年は人間、3年は神様で。ゴミが神様に投げるわけだから、そりゃあなりますよねえ。」
「それ、だれも知らないんじゃ?」と稲葉さん。
「テレビで言うのは初めてですね。」とイチロー選手。
そしてこのことは、野球人生で最大のスランプだったとも。
「ある程度のトラブルを早いうちに経験しとくのは良いと思います。」
と、高校時代のイップスを糧にして、今のイチローさんの強さやスタイルが確立されたであろうことが伝わるコメント。
しかし、このスランプを、どうやって克服したか、気になります。
「センスですね。センスで克服した。こればっかりは努力しても仕方が無い。」と、コレに関しては、凡人の我々には参考にならない回答。
克服する時期やタイミングにあわせて、生まれながらに持っているセンスで克服したということでしょう。
そこで沈まなかったのはさすがイチロー選手ですね。
プロだけを目指していた高校時代
「稲葉さん、大学いってますよね。僕、大学言ってたって言えるのうらやましいんです。みんな大学なんて行ってもなんにもならないっていう。僕もそれを行ってみたい!」
とイチローさん。逆に稲葉さんから、
「イチローさんは甲子園に言ってますよね。うらやましい。」と言われると、
「高校では甲子園はどっちでもよかったんですけどね。」
「プロだけを目指してた、ということ?」といなばさん。
「そうです。名電行ったのも、ピッチャーやったのも目立ってプロに声をかけられたいと思ったからです。」
更にイチローさんは続けます。
「プロになったらこっちのものだと思ってましたから。ドラフト1位でも10位でも関係ない。入ってしまえばこっちのものですもん。」
彼の中には、高校時代にすでに、今のポジションまで来る道筋が見えていたのかもしれません。
六本木怖いっす!
イチロー選手が稲葉さんに逆質問。
「稲葉さん、東京なれました?」
「僕は全然東京慣れないです。」と稲葉さん。
その返事を聞いたイチローさん、
「そうですよね、六本木とか怖いっすよね!六本木ヒルズのセレクトショップの店員さん、威圧感半端ないんですよ!」
と興奮気味に続けます。
「お手並み拝見みたいな。こちらはお客で言ってるのに!」
とよっぽど嫌な目に合われた様子。
「ディズニーランドは一人で行けても、六本木ヒルズは一人で行けない。あの人達の威圧感、ほんとすごいんです。」
だそうです。イチローさんは言葉を選んでお話されてますが、よほど感じの悪い店員さんだったんでしょうね。
上から目線というか。なんとなく、わかります(笑)
超一流といわれているイチロー選手に、そんな態度とるなんて、逆に身の程知らずで恥ずかしい話ではないかと、個人的には思います(笑)
<3月16日(水)放送分>
分かっていても出来ないこと
「野球は胸を見せたらダメなんです。バットのスウィングは腰を回して腕がそれについてくるのがいいんです。って、わかってるんですけどみんな出来ないんですよね。」
イチロー選手、野球に関する持論を熱く展開します。
「バットは最短距離で出せとか言いますけど、手が早い男はダメですよ、ほんとにだめ、稲葉さん。手を先に出しちゃだめ、結果として手がでるんですから。」
「腰が回転するから手が勝手についてくるんじゃなきゃ行けないんです。それには骨盤の動きだったり大事なんですけど。例えば、お前肩の力がはいってるよ、と言われて肩の力抜けよ、と言われても無理なんですよ。膝の力を抜かないと肩の力は抜けないんです。みんな、目で見えてることしか言わない人が多いですよ」
と、体全体のつくりと仕組みを考えたトレーニングが大事であることを話すイチローさん。
自分の体独自のバランスを考えてトレーニングを
「自分の体の持って生まれたバランスを考えないとダメですよ。」
人間の体は、人それぞれ特徴があり、バランスが違うから、たとえばみんな一様に筋トレして体を大きくしようとしてもダメだということです。
「トラとかライオンとかウェイトかけないでしょう。(トラとかライオンとか、ウエイトトレーニングしないでしょう)そういうことなんですよ。」
イチロー選手は毎年オフにはウェイトをかけて鍛えていたそうです。
「筋肉つけて体が大きくなるとうれしいでしょ、バカだから。それで喜んじゃうんだけど、鍛えると、筋肉は大きくなるけど、それを支えてる腱とか骨はでかくならないですよね。そうすると、筋肉を支えきれなくなる。だからみんな故障するんです。」
「そういうことにいつ、気づいたのどうやって?」と稲葉さん。
「毎年不思議だったんですけどね、春先僕全然動けないんです。ある年に気づいたんですけど、シーズンはいると痩せてくるから、そうするとスウイングスピード早くなってくるんですよ。それで気づいたんです。」
とイチロー選手。最初から分かっていたわけではなく、自分の体と真摯に向き合ってきたことで気づくことができたんですね。
「今、みんな鍛えようとするけど、いろんな情報があるから。情報が多すぎて、どれをしてもいいかわからないっていうのもあるでしょうね。」と稲葉さん。
「今の時代は頭でっかちになりがちです。」とイチロー選手。
「でも、最短で行ける可能性もあるじゃないですか。」という稲葉さんに、
イチロー選手は「いや、それは無理です。」とばっさり。
「失敗を経て手に入れたものは味がある。失敗なく手に入れたものはダメです。無駄なこと、遠回りにして手に入れた道のりは、あとから思うとすごく
大切だったなーと思います。」
「僕は合理的なことが良いとは思いません。無駄を良しとするわけじゃないけど、遠回りすることが一番近道だと信じてやっている。」
と、昨日に続き、努力も才能のうち、という言葉を髣髴とさせる名言を放つイチロー選手。
と、熱く語るイチロー選手でしたが、ふと我にかえり、
「コレ何分位(カメラを】まわしました!?」とスタッフの人に尋ねると、
「1時間20分です。」とスタッフのかた。
「ええっつ、まじっで?エグいって!」と驚くイチロー選手。時が経つのを忘れるくらいのハイテンションでインタビューに応じていたようです。
イチローさんの様子がイメージと違い過ぎて、最後まで興味深いインタビューでした!
まとめ
個人的なイメージですが、イチローさんて、寡黙で真面目なイメージがありました。
今回のインタビューを見て、その真反対、おちゃめで饒舌な方だったのでびっくりしました!とても感じが良い方だなと思いました。
イチローさんて、日本ではイチローと呼ばれていますが、アメリカでは「魔法使い」「安打製造機」などとよばれているそうですが、それは強い信念とそれに基づいた行動があっての成果なのだなとも思いました。
そして何より、その偉大な実績に裏打ちされた名言の数々!全てに説得力があり、すべてが心にずしんと響きます。
なかでも、合理的なことを否定し、泥臭く失敗をへて積み重ねることが成功への近道だと信じている、と迷わずに言ってくれるところが、かっこいいですね!
今、成功を夢見てひたすら努力を続けている人にと手は、本当に勇気の出る言葉ではないでしょうか。
素敵な言葉をたくさん聞けた、貴重なインタビューをみれてラッキーな二日間でした!
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